日本生命の学資保険等の貯蓄性のある保険が値上がりします。あわせて、予定利率も下がります。日本生命だけではないですが、うちのポストに日本生命のチラシが入っていたので紹介したいと思います。4月2日以降の契約分から適用されます。
日本生命の4/2改定内容
1.予定利率の改定
予定利率が下がります。
平成29年4月に標準責任準備金を計算するための利率である標準利率が0.75%引き下げとなることを受け、契約日が平成29年4月2日以降の保険契約から保険料率が改定となります。既存の契約に関しては影響ないようなので据え置きと思われます。
法律的な話で保険会社の利益が減るため、それを保険契約者であるわれわれに負担してもらう必要があるということです。
・学資保険、こども保険 1.35%→0.85%
・年金保険、長寿生存保険(低解約払戻金型) 1.35→0.85% ※複数パターンの1例
・終身保険 1.15%→0.40%
もともと1.35%が0.85%に下がるということは、58%下がったことになります。利率(運用利回りといってもいいと思います)が5割下がる。半分になるということです。
2.保険料の改定
保険料率だけでなく、保険料も上がります。なぜ保険料まで上がるのかというと、受取総額の金額は変更しないためです。もらえる金額は変更しないため、保険料を増額することでもらえる金額を維持する仕組みです。
30歳男性で保険料払込期間18年で月々12,610円の場合
払込保険料総額:2,725,920円
受取総額:3,000,000円
返戻率:110.0%
↓
30歳男性で保険料払込期間18年で月々13,350円(+730円=+5.8%)
払込保険料総額:2,883,600円
受取総額:3,000,000円
返戻率:104.0%(-6ポイント)
受取総額300万を維持するために、月々の保険料は増額となっています。その分、支払う保険料がふえるため、払込保険料総額が増えてます。
返戻率ですが、10%増えるのが4%増えるに変更になります。60%下がります。保険料率が58%下がってますから、それとほぼ同率だけ下がります。かなりのインパクトです。
参考:返戻率の計算方法
3,000,000-2,725,920=274,080
↓
274,080÷2,725,920=10%
↓
10%増えるということ。なので110.0%ということになります。
では、4月1日より前に契約をすればOKか(急いで契約すべき?)
わたしは、ここまで予定利率が下がった現在の状況においては、学資保険というものは入るべきではないと考えます。保険は安定していて安全というイメージがあったり、貯蓄性もあるというイメージがあったりしますが、今回の件で、それらは確実なことではないことが分かりました。
ある程度の利率、これまでは10%の返戻率ということですが、返戻率が高ければ学資保険に入ってよいと思いますが、下がった現在の利率を見ると、貯蓄という観点だと、学資保険がベストではありません。投資信託などの中リスクの中リターンの投資商品がで貯める方法もありだと考えます。
返戻率104.0%とは、年間の利回り(年率)はどのくらいか?
返戻率104%の実態を分析してみましょう。18年かけてようやく104%になるということです。100万だったら104万になるということでよね。
では、年間でどのくらいの割合で増えていくかというと、0.22%です。
銀行預金が0.001%なので、それに比べればマシ、と言えるかも知れませんが、それより高い利率で運用できる商品は、いまの世の中でも他に存在します。
例えば投資信託です。
投資信託で運用した場合の想定利回りについては、こちらの記事をどうぞ。
投資の複利効果のすごさと、各種投資方法の利回り比較、長期投資のすすめ
まとめ
そもそも学資保険は、安易に契約するのはおすすめできません。保険会社の都合(法律上の問題)で、予定利回りが下がります。また、18年のような長期間の運用途中での解約時には解約返戻金が少なくなります。毎月の支払額を減らすなど柔軟な変更ができません。デメリットが多いです。
学資保険ではなく、投資信託(インデックスファンドの分散投資)が有効な積立方法だと考えます。リスクに関しては十分に検討すべきですが有効な選択肢だと思います。
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