先進医療とは、簡単にいうと正式に認められた治療法ではないが、将来的に認められる可能性のある治療法というもの。また、先進医療は通常は、保険診療の対象ではないし、さらに保険診療と併用すると、通常は保険診療も先進医療の分も保険が適用されないんです。厚生労働省が認めた先進医療については、保険診療との併用を認めるというものです。
費用的にどうなるの?
100万の医療費がかかる例で、20万が先進医療の場合は、20万は全額を患者負担となります。残りの80万を保険診療として、3割負担となるので保険診療分は24万が自己負担で、先ほどの20万を加えて、44万円が合計の自己負担ということになります。
保険診療として計算される80万にはどのような項目が含まれるかというと、通常の治療と先進医療に共通する部分で、診察・検査・投薬・入院料などの項目が該当します。診察などの部分は「診察」なので、先進医療分の費用とならないということです。なるほどという感じですね。先進医療に含まれるのは、先進医療に関する「技術料」に相当する金額なのです。
先進医療って何があるの?
2017年1月1日現在、全部で108種類あります。内訳として、先進医療A(40種類)、先進医療B(68種類)となってます。
先進医療Aをみてみると…
・家族性アルツハイマー病の遺伝子診断…家族性アルツハイマー病の原因遺伝子の変異に対する診断を行う。正確な診断により、個々の患者ごとに、遺伝的背景の差異に基づく病気の特徴を踏まえた予後の推定を可能にし、将来に向けた療養方針やリハビリ計画を患者やその家族に示すことができる。
先進医療Bをみてみると…
・水素ガス吸入療法…成人院外心停止後患者のうち、自己心拍再開後も昏睡が持続する患者を対象とし、集中治療室で18時間2%水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入する。この間、ガイドラインに準拠した集中治療を行う。主要評価項目は90日後神経転帰良好の割合とし、副次的評価項目は90日生存率、生存期間、modified Rankin Scale(mRS),GCS,およびMini-MentalState Exam (MMSE)とする。
適当に選びましたが、どれも興味深い内容でした。
先進医療だけを保障する保険「Linkx coins」
先進医療の技術料を保障する保険が、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命よりLinx coinsという名称で出ています。月々500円の保険料です。必要だと思う人が入るという意味ではよいですね。
先進医療は医療保険の特約で付けるべきか
わたしは不要だと思います。ですが、どこの保険会社でも医療保険に特約で付ける場合は100円程度なので、たいした金額ではありません。そういう意味ではつけてもいいと思います。正直、先進医療が必要な場面に遭遇する可能性は低いと思われますので、どんな治療が先進医療として認められているか、自分で確認してみると興味がわいて面白いです。
参考
厚生労働省 先進医療の概要について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/
厚生労働省 先進医療の核技術の概要http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html
↑
108種類の先進医療が紹介されてます
コメント
コメントはありません。