72の法則というものをご存知でしょうか?投資をやっている人には有名な法則です。投資をはじめてしばらくすると、自分が運用している商品がどのくらいの利回りで増加していくか、どのくらいの期間で金額が倍増するか気になってきます。そんなときに役立つのがこの72の法則です。
72の法則とは?
72の法則とは、「金融商品が複利によって、元本が2倍になるまでの年数を求めることができる法則」のことです。
【計算式】
年数=72÷利回り
「利回り」ですが、「利率」や「金利」と呼んだりします。とにかく、1年間で増える金額の割合のことです。例えば、100円投資して5円増えるのであれば、5÷100=5%の利回りと言えます。この利回りは複利を前提にしています。(複利についてはのちほど説明します)
72の法則の使い方としては…
ある金融商品、例えば投資信託を購入し、毎年5%ずつ価値が上がっているとします。この場合は利回りが5%ですので、72の法則の計算式にあてはめると…
72÷5=14.4年となります。
18年はどんな意味をもつかというと、この投資信託を購入して18年経過すると、購入した金額の倍の価値になるということです。例えば、この投資信託を100万円分購入して18年経過すると200万円になるということです。
仮に6%の利回りだった場合は…
72÷6=12年
よって、100万円分購入して12年経過すると200万円になります。
<利回り/年数>
1% 72年
3% 24年
4% 18年
5% 14.4年
6% 12年
10% 7.2年
20% 3.6年
現在の日本においては、3-5%程度の利回りが見込める金融商品があれば十分といった感じです。なので実際にこの法則を利用する場合は、利回りが1桁の場合に限られると思います。
72の法則が本当かどうかシミュレーションしてみる
72の法則が本当に正しいのかどうか、実際に5%の複利で運用できたと仮定して、シミュレーションしてみましょう。シミュレーション結果は下記のとおりです。
72の法則と、ほぼほぼ同じ結果となりました。
72の法則の場合、5%だと、72÷5=14.4年でした。
複利で計算すると、14年と15年の間の年(とし)となりますので結果は近いです。72の法則は正しいといえますが、完全に一致するわけではないため参考にざっくりと計算する場合に役立つものと認識しておきましょう。
単利と複利の違い
利回りについて、複利が前提であった場合に72の法則が成り立つと解説させていただきました。では、複利とは何かを、単利と比べて解説させていただきます。
単利とは?
まずはシンプルな単利から理解しましょう。単利5%といった場合に、例えば株を所有していて株の配当金がもらえる場合がこれに該当します。100万円の株に対して、毎年配当金が5%もらえるような場合です。これが単利5%です。
単利
年数/期首残高/配当金額
1年目 100万円の株 5万円の配当金
2年目 100万円の株 5万円の配当金
3年目 100万円の株 5万円の配当金
4年目 100万円の株 5万円の配当金
5年目 100万円の株 5万円の配当金
5年経過後の残高:100万円の株+25万円=125万円
複利とは?
複利5%といった場合は、例えば投資信託のような価値が増加する(または減少する)投資商品がこれに該当します。例として毎年必ず5%価値が上がるとします。
複利
年数/期首残高/期末残高
1年目 100万円の投資信託 100×1.05(5%)=105万円
2年目 105万円の投資信託 105×1.05(5%)=110.25万円
3年目 110.25万円の投資信託 110.25×1.05(5%)≒115.76万円
4年目 115.76万円の投資信託 115.76×1.05(5%)≒121.55万円
5年目 121.55万円の投資信託 121.55×1.05(5%)≒127.62万円
※便宜上、計算結果を少数点以下2桁までにそろえています
このように、単利と複利では利回り5%で5年経過で、2万円以上もの差がついています。複利の場合は、運用する年数が長いほど金額に差がついてきます。なお、利回りは高ければ高いほどよいです。
まとめ
何かに投資する場合は、その金融商品が複利で運用できるか確認しましょう。複利であればその年の残高に対しての利回りとなりますので、運用する年数が長いほど運用資産の金額が増える効果があります。また、72の法則を使用することで、例えば貯蓄したい場合、目標とする金額に対して、何年くらいで貯めることができるかを把握することが可能になります。
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