最近、住宅ローンの団体信用生命保険に特約をつけることで、病気になったときに住宅ローン残高が0円になる保険が流行しています。
たくさんの銀行が、販売攻勢をかけてきています。今回はそんな保険として、みずほ銀行の「がん団信」を紹介します。
最後に言おうと思いましたが、最初に言います。保険会社は、つぎからつぎへと新しい保険を開発します。みなさんも、それにまどわされないでください。自分自身で判断するのが難しそうなら中立な立場でアドバイスしてくれる方に相談してから決めましょう。
目次
そもそも団信というものに入っているのが前提
銀行などで住宅ローンを契約すると、団体信用生命保険(通称:団信)に入ることになります。これは、住宅ローンを契約した人が死亡したときに住宅ローン(借金)の返済ができなくなるため、死亡時に住宅ローン残高分の保険金が支払われる保険です。それで住宅ローンの残高全額を返済することができる、というものです。
残された家族に借金を残さずに家を残すことができます。
今回紹介する保険は、この団体信用生命保険に付加することができる特約です。
一般的に特約はあとから付加することができないのですが、この特約はあとから付加することができます。
みずほ銀行の「がん団信」とは
みずほ銀行の住宅ローンの団信につけることができるのが「がん団信」という特約です。
他に「8大疾病補償プラス」等々ありますが、今回は「がん団信」を紹介します。
この特約では、下記の場合に住宅ローンが0円となります。
<条件>
・所定のがんと診断されたら
・死亡または所定の高度障害状態に該当したら
・余命6カ月以内と判断されたら
<特徴>
・上記のように死亡以外の条件で住宅ローンが0円となる
・一定期間の就業不能状態などの条件がない
・金利に0.15%上乗せすることで加入できる(2018年12月28日まで。それ以降は0.20%)
所定のがんと診断されるとは?
すべての「がん」が該当されるわけではないです。
上皮内がんと呼ばれるがんは該当しません。また、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは該当しません。
ようするに、転移の可能性の低い、軽度(正しい言い方ではないかもしれません)のがんは該当しないということです。
大事なことは何のために入るのか、いくら支払うことになるのか
がんと診断されたら、その時点での住宅ローンが0円となるような保険は必要なのでしょうか。
働けなくて返済ができない状態であれば大変助かることだとは言えます。では、がんになる可能性はどの程度あるのでしょうか?
みずほ銀行が紹介しているデータでは、がん患者は増加傾向で、男性は1.6人に1人、女性は2.1人に1人が一生のうちにがんになるそうです。
ここまではよいとして、果たして+0.15%の金利で支払う保険料がいくらになるのでしょうか。保険料についてシミュレーションしてみましょう。
保険料のシミュレーション
みずほ銀行の資料やサイトに例示されている前提条件でシミュレーションしてみます。
<前提条件>
借入金額:2000万円
借入期間:35年
金利年率:1.5%
返済方法:元利均等返済
この条件で契約して、毎月返済していくと、35年間で
総支払金額 25,719,333円となります。
2000万円借りてますから、金利は5,719,333円となります。
↓
さきほどの条件の金利年率1.5%に0.15%の金利を上乗せしてみます。
上乗せ
0.15%
総支払金額:26,340,845円
金利:6,340,845円
↓
ということは、差額:611,512円
なので「がん団信」の特約をつけると
35年間で611,512円の支払いが増えることが分かりました。
月に支払うのは約1,456円です。
結局のところ「がん団信」は入るべきか
がん患者が増えているとはいえ、その軽度、重度がどうかはわかりませんが、2人に1人ががんになるということはあっても、重度で働けなくなるまで、がん患者は増えていないと思います。
心配な方は入ってもよいかもしれませんが、私は入らなくてよいと考えます。
重度ながんになったら、住宅ローンが0円になる。ならなければ、最終的に611,512円を支払う…。
これが保険ですよねw
保険って、何でも入っていたらきりがありません。
余談ですが、わたしが必要だと考える保険は、その人の状況にもよりますが、生命保険と自転車保険、自動車保険です。
とはいえ、この「がん団信」はユニークな保険だと思います。本格的に加入を検討する場合は、どのようながんについて、適用されるか詳細を確認すべきだと思います。
本日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
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