9/21の金融庁の金融審議会の「市場のワーキング・グループ」の資料にて、投資信託や長期投資に関するデータがたくさんありました。
注目したデータ
・3月、6月、9月、12月に投資信託の押し売り営業が行われている
・投資信託を5年以内の積立投資で運用すると損または利益が出る、20年間の投資だとみんな利益が出る
このような、金融機関による投資信託の販売実績や傾向に関するデータや、投資信託を活用した長期投資に関するデータがあったので紹介します。
投資信託の押し売り営業の実態
資料によると、金融機関による投資信託や一時払い保険の押し売り営業が、四半期末ごとに販売額が高くなっているそうです。金融機関を管轄する金融庁としては、顧客本位の営業ではないことを問題視しています。資料ではプッシュ型営業と言ってますが、ここでは押し売り営業と表現します。
月次推移のデータ
「月次のリスク性商品販売を検証すると、四半期末毎に運用環境に左右されにくい一時払い保険の販売に顕著な伸びが見られ、期末収益目標を意識したプッシュ型営業が行われている可能性が窺われる。」
このように解説されています。
金融庁としては、国民の資産形成に力を入れており、長期投資による資産形成ということで、投資信託の販売を推進しているように見受けられます。しかし、投資信託については、種類も豊富で販売ルートもたくさんあり、思い通りの商品となっていなかったり、販売手法にも問題があったりとたびたびこのようにレポートをつくって注意喚起しています。
銀行では、従来のお金の貸付による利益が見込めなくなっており、個人向け金融商品の販売として、投資信託の販売や住宅ローンなどに力をいれております。
銀行では、投資信託や保険の販売が手軽で利益を生みやすいため、収益源として力を入れていることが背景にありそうです。
投資信託の長期積立投資の効果
投資信託を利用して、長期投資をすると、どのような効果があるのでしょうか。利益 or 損失 どっちが可能性が高い?
分かりやすいデータがありました。
投資信託の収益率のデータ
保有期間が5年だと、損失が出る場合と利益が出る場合とまんべんなく分布しています。
これに対して、保有期間20年だと利益が出ているデータしかありません。
長期保有すれば利益が出ているということです。
ちなみに「一時払い保険」とは、貯蓄性のある保険のひとつで、長期間保有することで、満期に払い込んだ金額以上が払い戻される保険のことです。いろいろと問題がある保険の一種のため、何かと話題になっています。
「一時払い保険」については、別に記事を書たいと思います。
もう1つ資料を。下記をご確認ください。
投資信託の平均保有期間のデータ
平均保有期間は、どの年でもおおむね3年以下です。金融庁としては、投資信託の保有期間が短いと利益が出にくいということを言っています。少なくとも5年以上、20年ぐらいの長期投資を視野に入れないと利益は出ないということを、この2つの資料から読み取れます。
では、長期間の運用をしたら、利益が出るの?
って思いますよね。
長期投資したら結果がどうなるか、こちらの記事も参考にしてください。
参考資料
金融庁 金融審議会
9/21開催の「市場ワーキング・グループ」
ここに事務局が用意した資料がアップされています。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20180921.html
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